2026.03.18
神戸の春と「果物アレルギー」の意外な関係
〜六甲山の花粉が食卓に影響する?〜
「リンゴやモモを食べると、口の中がイガイガする」「豆乳を飲んで喉が腫れた感じがする」そんな経験はありませんか?
口腔アレルギー症候群(OAS)というアレルギー症状のひとつですが、実はその症状、神戸の豊かな自然(花粉)が原因かもしれません。
1. 「花粉」と「食べ物」がリンクする理由
春、六甲山系から飛散するハンノキやヤシャブシ(カバノキ科)の花粉。これらに含まれるタンパク質は、一部の果物や野菜に含まれる成分と構造が非常に似ています。 私たちの体が、花粉と食べ物を「同じ敵」だと勘違いして攻撃してしまう現象を「交差反応」と呼びます。
2. 注意が必要な「交差反応」リスト
カバノキ科の花粉症がある方は、以下の食物で症状が出ることがあります。
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バラ科の果物: リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ
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その他: マメ科(豆乳、大豆、ピーナッツ)、ヘーゼルナッツ、アーモンド、キウイ
注)ピーナッツに関しては、他の機序で重症アレルギーが起こる可能性があります。 - 特に近郊で飛散量が多い時期は、喉の粘膜が過敏になっているため症状が出やすくなります。
3. 神戸特有の環境:黄砂の「追い打ち」
神戸では春先に黄砂が飛来します。黄砂は花粉を細かく砕き、アレルギー成分を喉や気管の奥まで届きやすくするだけでなく、付着した化学物質が免疫反応を強めてしまう可能性が示唆されています。 「いつもより果物で喉が痒い」と感じたら、それは環境の影響かもしれません。
4. 正しく知るための「コンポーネント検査」
「リンゴを一生食べてはいけないの?」と不安になる必要はありません。 最新の「コンポーネント検査」では、アレルゲンの詳細な成分まで調べることができます。
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熱に弱い成分であれば、「加熱したジャムならOK」という判断が可能です。
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逆に、豆乳などは液体で大量の成分を摂取するため、果物よりも重症化(アナフィラキシー)しやすいという特徴があり、注意が必要です。
数値に振り回されない診療を
アレルギー検査の結果が「陽性」でも、必ずしも「除去」が必要とは限りません。大切なのは、「いつ、何を食べて、どうなったか」という皆さんの記録と、検査結果を照らし合わせることです。
当院では、適切にアドバイスができるように、コンポーネント検査含めて、アレルギー検査を実施しています。
少しでも違和感があれば、お気軽に相談してください。神戸の春を、おいしく安全に過ごしましょう。



