世界禁煙デー

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世界禁煙デー

  • 2019.05.27

    六甲山の樹木は春の訪れとともに勢いづき、山裾に連なる緑の色が鮮やかとなってきました。神戸の三宮にある少し高いビルへ行く機会がありました。神戸の街を背にした六甲連山の山並みは、なかなか美しい景観でありました。そして季節は梅雨を迎えました。

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    世界禁煙デーという日があることを御存知でしょうか?昭和45年に世界保健機構(WHO)が、総会において煙草に対して初めての決議をしました。さらにWHOは1989年(平成元年)に発足40周年を記念し制定したのが世界禁煙デーです。この世界禁煙デーは、喫煙しないことを第一とする社会習慣をつくることを目的としたものであります。厚生労働省もポスターを作成し広く呼びかけています(写真1)。また受動喫煙防止についてもロゴマークを用いて関心を高めています。(図1)。我が国では2020年の東京オリンピックパラリンピック大会に向けて準備を進めていますが、その基本方針として「受動喫煙防止対策の強化」が明文化されています。「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子どもを守ろう」というのがテーマであります。

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    写真1 世界禁煙デー

    厚生労働省のHPからの引用

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202210_00003.html

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    図1 厚労省の受動喫煙防止対策の推進を訴えかけるロゴマーク

    このように禁煙運動が国を挙げて起こされています。その効果もあり、国立がん研究センターの調査によりますと喫煙率は男女ともに年々低下傾向を示しています(図2)。これは大変好ましい状況であります。ただ女性においては、ゆるやかな低下傾向にとどまっています。しかも50歳代の女性は増加傾向にあり、ここには禁煙指導を重点的に進めていく必要があります。2017年においても喫煙率は男性29.4%、女性7.2%(男女で17.7%)、つまり5人に1人弱はスモーカーなのであります。これを考えますと、引き続き禁煙運動を進めていくことが医学上、大変有意義です。

    次に未成年者の喫煙についてです。これについて調べたところ、気になることがありました。未成年者の喫煙については厚生労働省の全国統計をみてみました。同調査は中学生と高校生を対象とし1996年から実施されています。図3のように幸い中学生と高校生の喫煙の経験率は毎年減少しています。問題は喫煙の経験率が減少しているということではありません。喫煙が禁止されている未成年者であるのにもかかわらず、2014年において高校生男子の喫煙経験率が11.9%ということが問題なのです。学校における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育が充実したものになることを願うところです。

    そして、禁煙できない人の対策です。喫煙者の人でも禁煙したい人は多くおられます。しかし禁煙に成功する人は、そう多くはありません。意志が弱いから禁煙に失敗すると思いそうですが、そうではないのです。これはニコチンの依存性、つまり病気なのであります。喫煙習慣とは脳内にニコチンという寄生虫が感染し、虫がとりついた病気といわれています。さらに喫煙による健康被害の最終的な疾患として慢性閉塞性肺疾患、また肺がんが近年増加しています。何とかせねばならない状況なのです。我が国では2006年から禁煙指導が保険診療として認められ、ニコチン依存症管理として外来での治療がなされています。当院は禁煙指導の施設基準に関わる届け出をしており、また呼吸器内科の専門医医師が禁煙指導をしています。禁煙をされたい方は是非、当院にお気軽にご相談ください。

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    図2  喫煙率は男女ともに年々低下傾向を示している

    国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターのHPからの引用

    https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/smoking_p01.html

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    図3    性別学年別にみた喫煙経験率

    http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd110000.html

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