またも気になるニュース

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またも気になるニュース

  • 2019.01.23

     厄神(やくじん)という神様を御存知でしょうか?この神様には災害をもたらす悪い神、その反対に災害をよけてくれる良い神の両者がいるとされています。昔から日本ではある年齢において災害が多く降りかかることがあるとされ、これを厄年といってきました。「今年は厄年だから気をつけよう」と昔は言ったものです。厄年の災難を回避するために厄神様で厄を払う風習があります。もっとも厄年に科学的な根拠はありません。それでも日本人は神社に出かけ、毎年のように厄神様にお詣りをする風習があります。今年も私は近くの厄神様に出かけました。境内に貼られている厄年の一覧表をみて気が付いたことがあります。それは厄年の最高年齢は62才 (数え年)となっていることです。つまり数え年63才以上になると、もう厄年がないというわけです。これは厄年の年齢が平均寿命の短かった時代に決められたからなのでしょう。高齢社会となった今、63才以上でも厄年があれば現代風で良いかと思いました。それにしても今年の厄神さんの縁日は多くの人で賑わっていました(写真1)。帰途は大変夕日が美しく(写真2)、明日も穏やかな日であることを祈りました。

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      写真1 厄神さんの縁日      写真2 美しい夕空  明日は晴れ

     またも気になるニュースについて前回からの続きです。医師という職業柄、どうしても医学が関係するニュースが気になります。今回も医学的な面での検討が必要だと思われる二つのニュースに接しました。

     一つ目は飛行機のパイロットが飲酒をしてフライトしたとのニュースです。飲酒運転ではなく、飲酒飛行とは心底戦慄を覚えるところです。車の運転手さんだけではなく、飛行機の操縦士も飲酒をしていたというのです。どうにも困ったものです。それにしても飲酒運転はなくならないものです。それは何故でしょうか?そしてその現状は、どのようになっているのでしょうか。そこで平成29年の警察庁の統計を検討しました。すると飲酒運転による死亡事故は204件(前年から9件減少)ありました。図1の赤い線に示したように平成19年の飲酒運転による死亡事故件数を100とすると年ごとに減少してはいます。これは平成14年以降の厳罰化による成果と評価されています。しかし、注目すべきことは最近の数年間は減少カーブが緩徐であるということにあります。それどころか、減少は下げ止まりという印象さえ受けます。この原因としてはアルコール依存症が増加していることが背景にあるかもしれません。ビール消費量は落ち着いているのに飲む人は大変飲むさとされています。これを裏付けるように東京消防庁による統計では、急性アルコール中毒で緊急搬送される人は男女とも増加傾向にあります(図2)。これを解決するには飲酒運転を厳しく取り締まりをするだけでなく、アルコール依存症に対する医学管理が必要とされます。つまり飲酒運転の撲滅のキーポイントとしてはアルコール依存症に対する治療が必要であると考えるべきと思います。

     二つ目は自殺者の数です。警察庁の集計(速報値)によりますと、昨年2018年の自殺者数は2017年より723人少なく2万598人(3.4%減)でした。自殺者数は9年連続で減少したことになります。自殺者数が2万1千人を下回るのは、実に37年ぶりのことであります。赤の実線で示された2018年の自殺者数をみると最も少ないことが分かります(図3)。また月別に自殺件数を分析しますと3月から5月に自殺が多いことが分かります。そのため厚生労働省は3月を自殺対策強化月間としているところです(図4)。さらに男女別に検討しますと男性は1万4125人(17年比701人減)、女性は6473人(同22人減)と男性に自殺が多い状況です。ここで憂慮すべきことは、19才以下の人の自殺は、あまり減少していないという点です。なかでも19才以下の女性の自殺者は増えているのです(図5)。若い女性の自殺に注意が必要ということに留意せねばなりません。自殺を防止するためには変化に気付き、耳を傾けねぎらう、支援先につなげること、そして暖かく見守ることが必要とされます。日々、患者さんに向かっている私ども医療人は常に心して対応していくことが大切です。

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    図1 運転による死亡事故の変遷  青は全死亡事故件数 赤は飲酒運転の死亡事故件数

    警察庁ウェブサイトからの引用

    https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/img/29insyu-jiko2.jpeg

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    図2 急性アルコール中毒搬送人員の推移(東京都内)

    東京消防庁資料より引用

    https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/ikki/facts.html

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    図3 月別自殺者数の推移(総数) 平成30年は数が最も少ない 厚生労働省から引用 

    https://www.mhlw.go.jp/content/2018-sokuhou.pdf

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    図4 3月は自殺対策強化月間です 厚生労働省から引用

    https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/2017/images/03_04-1.jpg

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    図5 年齢階級別自殺死亡率の年次推移 厚生労働省から引用

    https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H29/H29_jisatsunojoukyou_01.pdf

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